金融機関の老後資金2000万という殺し文句に惑わされることなかれ

8月はビジネスもスローになるせいか、普段仕事が忙しくて会えない友人たちに会い、ゆっくり話をするという時間がもてました。その際、金融機関に働く友人諸氏が、老後資金2000万円問題降、投資信託が飛ぶように売れる、もはや入れ食い状態、と話していたのがとても印象に残りました。なんだかおかしいと思いませんか?

老後2000万報告書の作成者は?

2019年6月3日、皆様もよくご存じの通り、金融庁がある報告書を公表しました。その報告書は、こちらからご覧いただけます。

報告書は、 高齢社会が深刻になってきた現代における資産形成を 金融審議会の市場ワーキング・グループのメンバーたちが、2018年9月より計12回にわたり検討・審議した結果です 。

では、そのメンバーは誰でしょうか?金融庁は、ワーキンググループ開催時の議事録をすべて公表しています。その議事録に、メンバーの名簿があります。

大学教授などの学者、経済研究者のほか、投資会社や銀行系シンクタンクに所属するアナリスト。資産形成分野のスペシャリストたちであり、ご自身は資産形成に成功しているだろうことが予想される方々です。

金融機関の営業のための報告書?

報告書の内容としては否定する部分は特になく、のほほんと考えていた人にとってはよい啓発材料となったものと思います。間違ってはいないと思います。しかしながら、想像していた通り、金融機関はこぞってその報告書を投資商品の販売に利用しています。

メンバーに金融機関関係者が多く含まれていることから、あらかじめこうした効果を狙ったものだったのではないかという猜疑心が生まれてしまいます。

その投資商品、自分の親にも勧められますか?

ゆず吉も、金融機関の営業複数名から、老後資金形成のためという理由で投資信託購入の勧誘を受けました。のっけから、2000万円大丈夫ですか?という質問を投げてくる方もいらっしゃいました。顧客の事情も得ようとせず、誰もが2000万という殺し文句に入れ食いになると思っている営業もどうやら多いようです。

ゆず吉の父は、90近くで一人暮らしをしています。その父にさえ、「今からでもまだ間に合います、老後資金を増やしましょう」という投資信託の営業があります。銀行が持参してきたパンフレットをよく見ると、購入手数料3%超え、信託報酬も2%近くという、リスクの高いアクティブファンドばかりです。そんな商品、果たして自分の高齢の親にも自信をもって勧めて買わせることができるのでしょうか?

営業成績狙いの金融機関の営業に惑わされないようにするには、何を聞いても早まらず、まずは自分で勉強をして、納得してから投資を開始してください。投資は投資商品を「購入」します。貯金ではありませんので、そのままの状態では戻ってきません。購入したものが良いか悪いかは、あとにならないとわからないこともあります。

シングル&一人っ子の老後資金計画

シングル&一人っ子の老後資金はどう考えればいいのか。果たして2000万でいいのか。足りるのか、足りないのか。

シングル&一人っ子は、自身の老後資金を考える前に、まずは親の老後資金を知ることが必要です。親は、老後資金に余裕はあるんか。介護状態になったときに、どうしようと思っているのか。それを実現するための資金は確保できているのか。いざとなったら子供が援助してくれていると思っているのか、いないのか。

すでに親が他界している場合は簡単ですが、親にとって頼れる子供は一人しかいないとなれば、事情は違います。親自身も、介護状態になる自分の想像がつかないうちは、具体的に検討もしれくれないかもしれません。それを検討してもらうのはシングル&一人っ子の仕事です。

投資の勉強に並行して、介護の勉強も

親の資金がわかったら、親の介護計画を考えます。足りるか、足りないか。その資金で介護状態になったときに、自分はどう動くか。介護離職をして同居をしないとならないのか。 親はどこに住むか。 施設に住める余裕はあるのか。施設はどういう種類があるのか。いくらかかるのか。

ゆず吉は、投資の勉強と介護の勉強を並行して行うことを勧めます。親の介護計画あっての自分の老後計画です。ゆず吉自身が苦労した親の介護については、表庭にまとめてありますので参考にしてください。

老後資金は多ければ多いほどいいに決まっています。節約もすれば、増やす努力だってします。ですが、個々の事情はそれぞれに大きく異なるはずです。

「老後2000万」という殺し文句に惑わされ、決して不要な投資信託や不動産の購入をしないようにご注意ください。

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